お知らせ
2021年 4 月 7 日
滋賀県知事
三日月大造 様
きょうされん滋賀支部
理事長 西川 茂
新型コロナウイルス感染症に係る障害のある人および障害福祉事業所等に関する要望書(第 5 次)
平素より、障害のある人の地域生活を促進するため尽力されていることに、敬意を表します。また、新型コロナウイルス感染症の拡大にかかわっては、障害のある人の命と健康を守るためにご奮闘いただき感謝申し上げます。
さて、新型コロナウイルス感染症については、とくに障害のある人の中には、基礎疾患を有するために重症化しやすい人が多数います。また障害特性から、マスクの着用及び手洗いの励行等の予防策、ならびに感染した場合の 保護 及び治療等の措置を講じることが難しい人も少なくありません。さらに、作業所等での仕事及び活動、ならびにグ ループホーム及び入所施設等での生活においては、集団での行動や接触を伴う支援等の機会が不可欠であるため、グループホームや入所施設等はクラスターが生じやすいと言えます。
以上のことを踏まえ、ワクチン接種が始まった今、障害のある人とその家族、支援者、関係者の命と健康を守る観点から、 以下の点を要望 いたします。
記
1、行政による PCR 検査 等 (社会的検査 は全国的に広がりを見せていますが、 滋賀県においては ようやく彦根市で集中的な PCR 検査が行われたところです。障害福祉サービス事業を継続するために 障害者総合支援法に基づくすべての事業の利用者と支援者が 、 公費による定期的な PCR 検査 等 (社会的検査 を受けることができるように してください。
2、 障害者総合支援法に基づくすべての事業の利用者と支援者を、ワクチンの優先接種対象に加え るよう国に要望し てください。また、 ワクチン接種の 利点 と 副反応 について、 県として 障害のある人や家族にわかりやすい 情報提供をしてください。さらに、 接種に当たっては 合理的配慮を提供する趣旨で、 障害のある人が日常的に利用している事業所での 巡回接種 をはじめ 接種場所 を 複数用意 することや 情報保障等 が行われるよう 、 自治体を支援して下さい。
以上
【声明】東日本大震災・福島第一原発事故から10年にあたって
2021年3月11日
きょうされん理事会
先月2月13日夜の福島県沖地震に、10年前の大地震がよみがえって、怖く辛い思いをした人も多くいたはずです。同時に多くの人が「あの時のことを忘れてはいけない」と思いを新たにしたことでしょう。今年2月11日には、岩手県盛岡市で災害公営住宅が完成し、ようやく被災地すべてに災害公営住宅が完成しました。また、福島県では原発事故後に避難指示が出された11市町村に住む人は、事故前のわずか27%に留まる等(1月時点)、原発の深刻な影響が続いています。
この10年、多額の税金が投入されて、巨大な防波堤が打ち立てられ、「復興」を象徴する研究・開発施設が被災地に建設されました。その仕上げが「復興五輪」とアピールされてきた東京オリンピック・パラリンピックでした。それすらもいまや「人類がコロナに打ち克った証」と書き換えられてしまいましたが。
一方で、福島県には将来にわたって人が住めないとされている土地が残されています。震災により家族を亡くした孤児への調査(2019年)では、その2割に気分障害か不安障害がみられました。障害のある人の生活も決して元通りにはなっていません。いまだに震災前の場所で再開できていない事業所もあります。移動手段の制約、支援者の人手不足などは解消の見通しがありません。残念ながら、前首相そして現首相が語る「復興」と、わたしたちの考える「復興」には大きな開きがあるようです。
日本全体を見渡すと毎年のように風水害が発生しています。災害対策基本法の改正に応じて、多くの自治体では要支援者避難名簿が作成されましたが、そのうち避難のための個別計画まで策定できた自治体はわずかです。今国会に提出される予定の改正災害対策基本法では自治体に個別計画策定の努力義務が明記されることになっています。この動きは評価しつつも、実際に災害が発生した時の命を救うための手立ては不十分なままです。加えて、新型コロナウイルス感染症によって避難行動をより困難にさせることが懸念されます。各自治体、各機関の対策を今一度点検することが急務です。
いま、そしてこの先の暮らしや健康への不安が解消されること。それが「復興」ではないでしょうか。テレビやニュースには流れない、被災地で暮らす人たちの声に耳を傾け、その葛藤や思いを想像すること。それが「忘れない」ではないでしょうか。そして「忘れない」ことが何よりも「復興」への後押しになると信じます。それぞれの場所、それぞれの方法で、できることから始めましょう。
1.3月11日に、それぞれの場所で、東日本大震災を話題に語り合ってください。
2.KSブックレットNo.30「10年目の真実」や40周年記念映画「星に語りて」等を通じて、被災地に想いを馳せてください。
3.事業所や支部、各地で、地域とともに、10年目のとりくみを企画しましょう。きょうされんが企画した記憶を残すプロジェクト、オンライン企画(4月23日)にぜひ参加してください。
4.障害のある人など災害弱者と言われる人、その家族や支援者への防災・減災にとりくみましょう。まずは身近な自治体における避難のための個別計画、防災計画などの策定状況をチェックしてみましょう。
※東日本大震災の被害は2020年12月の発表で、死者15,899人、行方不明2,527人、震災関連死3,767人となっている。震災関連死の6割は福島県が占めている。
【声明】東日本大震災・福島第一原発事故から10年にあたって(ルビなし).pdf (0.24MB)
【声明】東日本大震災・福島第一原発事故から10年にあたって(ルビあり).pdf (0.31MB)
「3・11」から10年を経た節目に、本映画の見どころや制作時の裏話、障害分野の災害時の教訓をみなさんにお伝えする特別動画が本日より配信されます。
ぜひご覧くださいhttps://www.kyosaren.or.jp/40anniversary/memorial-tournament/14425/
2020年12月18日
滋賀県知事
三日月 大造 様
きょうされん滋賀支部
理事長 西川 茂
きょうされん滋賀支部「ひまわりの会」
会長初古悦子
新型コロナウイルス感染症に係る障害のある人および
障害福祉事業所等に関する要望書(第4次要望)
~利用者・家族・支援者の声に基づく要望~
平素より、障害のある人の地域生活を促進するためご尽力いただき敬意を表します。また、この度の新型コロナウイルス感染症の流行拡大にかかわっては、障害福祉施設に対しまして多くの物資の提供や、かかりまし経費等に支援をいただき深く感謝申し上げます。
さて、11月以降、日本全体の感染者数が日ごと過去最高を更新し、県内でも、いつ・どこで感染が広がってしまうかと、多くの市民が不安を感じているところです。その中にあって障害のある人や家族の不安は、より一層増すばかりです。
当会では、9月に提出しました「2021年度滋賀県予算に関わる障害福祉施策に関する要望」作成にあたり、会員事業所の利用者や家族、支援者にアンケート「三日月知事へ“わたしのねがい”」をとりました。その中でコロナに関する困りごとを要望項目としてまとめました。
利用者や家族、支援者の生の声としてお聞きくださり、対応いただきますようお願いします。
記
1、PCR検査等について
(1)障害のある人やヘルパーを含むすべての障害のある人を支援している人がPCR検査等を希望する場合は、優先的に速やかに、無料で検査を受けられるようにしてください。また、安心して日常の支援を受けられるよう、利用者、作業所職員、グループホームのキーパー、ヘルパーなど、全員に定期的な検査を実施してください。
2、衛生用品について
(1)マスクをつけることが難しい人、苦しい人がいます。障害特性によりマスクが付けられないことを示すカードなどを作成し、配布してください。
(2)マスクの価格も高いので気軽に購入することができない人もいます。一人暮らしや企業就労をしている障害のある人も含め、マスクや消毒液を無償提供してください。
(3)アルコール消毒の種類が多く、どこまでの効果があるのか一目ではわかりません。わかりやすい表示を作成してください。
3、障害特性を踏まえた情報の提供について
(1)一人で暮らす障害のある人を含むすべての障害のある人に対し、相談窓口やPCR検査のできる場所、発熱時の外来対応など、具体的にわかりやすい情報を提供してください。
4、感染しても安心して療養できるようにしてください
(1)障害のある人が感染した場合の入院時には、障害に配慮した治療をしてもらえるような医療体制、環境の整備等をお願いします。
(2)障害のある人やその世帯では、もし障害のある本人が感染したら、家族が感染したらと大きな不安を抱えています。各圏域で進められている「在宅生活困難障害者等支援事業」を圏域だけに任せず、県や圏域自治体がイニシアチブをとってください。またその情報を障害のある人のいる世帯に丁寧に伝えてください。
5、仕事・工賃について
(1)障害のある人が働く全ての障害福祉サービス事業所(生活介護を含む)を対象に、障害のある人の工賃を補填してください。
(2)障害者優先調達推進法に基づく作業所等の仕事やイベント等の販売先の確保を、従来を超える規模で推進してください。
6、くらしについて
(1)コロナ禍における製品の売り上げ・仕事(下請け作業等)の減少等により、給料や手当が減少しています。また、感染予防のためのマスクを含む予防品の価格の高騰や、光熱水費等の増加などの影響も大きく、所得の低い人ほど負担が増して大変困っています。障害のある人の生活を支える障害者年金の引き上げを国に要望してください。
7、余暇について
(1)障害ゆえに感染予防が難しい人や、外出や人とのふれあいができにくくなったことで、多くの障害のある人が大きな苦痛を強いられています。空き施設等、障害のある人が安心して過ごすことのできる場(密にならない場)を提供してください。また民間企業等にも場の提供を働きかけてください。その際の借り上げ料は県が補填してください。
以上
署名・募金にご協力お願いします
新型コロナウイルスの収束はまだ見えてきませんが、コロナ禍で障害のある人、家族、事業所には様々な問題が明らかになりました。第44次の国会請願では、これらの解決を一番に求めています。
署名について
■請願趣旨
世界中の人びとを生命の危険と生活不安に陥れている新型コロナウイルスの感染拡大は、収束の目途がたちません。世界共通の傾向として、基礎疾患のある人、高齢者、生活困窮者の感染による重症化や死亡率は高く、そこには多くの障害のある人が含まれています。国によっては治療の優先順位をつける「生命の序列化」も起きており、日本ではクラスター化した障害者施設に対して、差別的な発言が続きました。
こうした差別意識や優生思想は、今般のコロナ危機のもとで浮き彫りになりました。これは、長年にわたってすすめられてきた優生保護法下での人権侵害や昨今の福祉分野を含む「生産性重視」の政策と深く関係しています。
またコロナ危機は、日額払いや応益負担など、障害福祉や介護保険の制度の欠陥を鮮明にしました。
障害者権利条約に掲げられた、障害のある人が障害のない人と同等に生きることのできる社会を実現するためには、日本の障害福祉関連予算を、せめてOECD加盟国の平均並みに引き上げることが必要です。
以上をふまえ、次の項目について請願します。
■請願項目
1.新型コロナウイルスの感染拡大の下、障害のある人、家族、支援者、事業者は様々な困難に直面しています。障害のある人がコロナ禍の下でも安心して生活できるよう、以下の点について要望します。
ア)障害のある人や支援者の生命や健康が脅かされないよう、安心して検査や医療が受けられる体制を国が責任をもって拡充してください。
イ)生産活動が収入減となった事業所で働く障害のある人に対して、国として工賃の補償をしてください。
ウ)新型コロナウイルスをはじめとする感染症や災害などの場合でも安定した事業運営
ができるよう、事業所の日額払い制度を改めてください。
エ)福祉に携わる人が安心して働き続けられるよう、労働条件を抜本的に改善できるような報酬としてください。
オ)地域活動支援センターに対するコロナ禍における各種の給付等について、総合支援法に基づく個別給付事業と同じ取り扱いとなるよう、国としての対策を行なってください。
2.「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律」は、国の謝罪を明記し、支給額を見直すなど、被害者の人権と尊厳の回復にふさわしい法律としてください。一時金支給法に基づく調査は、真に実態が明らかになるよう、被害者の立場に立って検証するものとしてください。
3.障害のある人が 65 歳を超えても必要とする支援を自ら選んで、自己負担なく利用できるようにしてください。
募金について
いただいた募金は、本請願運動を展開するための費用や当会が運動をするための活動資金として有効に活用させていただきます。ご支援よろしくお願いいたします(募金は下記口座にお振込ください)。
<郵便振替>
口座番号 01070-3-5197
名義 きょうされん滋賀支部