お知らせ

2020-01-10 09:21:00

2020年1月7日(火)に基本合意10年の集会が開催されました。

全国から400人が、滋賀からは元原告2人を含む12人が参加されました。

当日の様子は「障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす会」ホームページよりご覧いただけます。

https://www.normanet.ne.jp/~ictjd/suit/

 

 

全国集会アピール

 

 2010年1月7日、私たち障害者自立支援法違憲訴訟原告・弁護団は、国と「基本合意文書」を結び、自立支援法に代わる新たな法律をつくるためのスタートを切りました。

 過半数を障害当事者が占めた障がい者制度改革推進会議総合福祉部会が取りまとめた骨格提言には、障害者福祉の新たな考え方がぎっしりと詰め込まれ、原告はもとより、全国の障害のある人に大きな期待と希望を抱かせました。

 しかし、その「骨格提言」は生かされませんでした。「看板のすげ替え」と揶揄されたように、自立支援法の本質が残ったままの障害者総合支援法が誕生してしまいました。私たちは言いようのないショックに見舞われました。そんな中で、はっきりと芽生えてきたのは「負けられない」という気持ちでした。あの違憲訴訟を起こしたときの想いが蘇ってきたのです。そして、これまでに増して、「基本合意を完全に実現しよう」の想いが募っていきました。

 基本合意に則って、厚労省との定期協議はほぼ毎年開催されています。そのたびに、基本合意の精神と内容を確認し、障害者総合支援法がもたらすさまざまな問題点を取り上げ、制度の改善を訴えてきました。ただし、厚労省の対応は冷たく、毎回のようにもどかしさや虚しさは晴れることがありません。貴重な定期協議をもっと実のあるものにしていかなければなりません。

 さて、基本合意が結ばれてから、10年の歳月が流れました。もし、基本合意文書がなかったとしたらどうなっていたでしょう。おそらくあの「応益負担」はもっと幅を効かせていたに違いありません。定期協議もなかったでしょう。岡山市での「浅田訴訟」など、各地の新たな裁判にも勇気を与えてくれています。

 一方で、いまだに65歳からの「介護保険優先原則」は変わらず、自立支援医療の「応益負担」は続き、事業所の経営を苦しめる報酬の日払い制度も残ったままです。また、新たな給付減と負担増が見込まれる「全世代型社会保障改革」の動きなども心配です。そう見ていくと、現状は、基本合意の完全実現とはほど遠いと言わざるを得ません。

 基本合意が結ばれた以降の大きな出来事として、障害者権利条約の批准があげられます。この権利条約は、基本合意文書の完全実現に大きな力になってくれます。これからは、基本合意と権利条約を一体化してとらえていくことが重要です。

 

 新しい年の始まりとともに、本日ここに自立支援法違憲訴訟原告・弁護団・基本合意の完全実現をめざす会、そして私たちの活動を応援してくれるみなさんと一堂に会し、新たな道のりの一歩を踏み出すことができることを、とてもうれしく思います。道半ばで亡くなられた7人の仲間の無念さを胸に刻み、これまで通り「ひとかたまり」を大切にしながら、基本合意の完全実現をめざしてがんばっていきましょう。

 

 

 

2020年1月7日 基本合意10年全国集会参加者一同

 


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