お知らせ
岡山市内で1人暮らしをする浅田達雄さん(69歳)は、介護無しでは生活できない重度の障害があり、月249時間の重度訪問介護を受けて生活してきました。ところが、65歳の誕生日を目前に、介護保険の申請をしなかったということで(障害者総合支援法7条・介護保険優先原則から)岡山市から重度訪問介護サービスを打ち切られ、1カ月半もの間、サービスをまったく受けられないという事態に陥りました。
生きる権利を奪われた浅田さんは、岡山市の決定取り消しなどを求めて2013年9月に岡山地方裁判所に訴訟をおこし、3月14日にその判決が言い渡され「勝訴」しました。
判決要旨.pdf (1.45MB)
「ともにあゆむ」ことから始めよう
~東日本大震災から7年を経た3つのメッセージ~
きょうされん理事会
未曾有の大災害といわれた東日本大震災は、わたしたちがこれまでに経験したことのない分断という悲劇をもたらしました。家庭のなかで避難か残るかで意見が分かれ、原発事故による放射線量をめぐって安全か危険かで地域が分断されました。いまだに日々の線量や震災関連死が報道される被災地と、節目の時にだけマスコミが報道する被災地以外の地域もまた、分断のひとつかもしれません。それぞれがまるで別の世界に住んでいるような、わかりあうことが困難な深い溝が横たわっているようです。
沿岸部を中心に津波による被害が大きかった岩手県。土地の造成や災害公営住宅の建設、漁業設備の復興などは進んでいる一方で、子育て世代を中心とした人口減少や、生活再建への支援不足などは課題として残っています。宮城県も復興事業による整備が進む一方で、生活やコミュニティーの再建が課題となっています。
震災の影響がもっとも色濃く残る福島県。避難指示が2014年4月以降に解除された県内9市町村で、解除地域に住民票がある約4万9千人のうち、実際に居住しているのは14.8%にとどまっています。また、再開した公立小中学校に通う子どもは原発事故前の8.6%にとどまることも明らかになりました。
一方で、高齢者や障害のある人の中には住み慣れた地域に戻ることを望む人も多くいますが、その人たちを支えるだけの体制が確保できないというジレンマに陥っています。そうしたジレンマや困難にありながらも、障害のある人たちやその家族を一所懸命に支えようとする姿が、福島県に限らず被災地のあちこちに見ることができます。
昨年秋、福島県南相馬市の事業所が連携して、初めての自治体への要望書提出にとりくみ、懇談の場を設けることができました。震災以来、きょうされんは支援者不足などに悩む事業所への支援活動を続けてきましたが、その大きな節目となりました。来年度以降も支援チームの派遣による支援活動を継続します。
きょうされんは「忘れないことも支援」とこれまで呼びかけてきましたが、結成40周年の記念映画として被災地を舞台にした劇映画の製作を始めています。同時に、被災地の障害のある人、家族、支援者とともに、思いを一つにして、誰もが安心してくらすことのできる地域をつくる活動を一層展開することを、震災から7年を経た節目に宣言します。
1.ぜひ現地に足を運んでみませんか。大きな被害の出た地域は、自然や食材のゆたかな土地ばかりでした。被災地という一言では表現できない悩みやジレンマ、その中でもたしかな希望や展望を感じてください。その土地に根をおろして踏ん張っている人に会ってください。
2.被災地においては、専門職の配置や工賃の増額は容易ではなく、いまの報酬体系のもとでは「評価」されません。また、この冬は大雪やインフルエンザにより、全国各地の多くの事業所が減算を強いられました。報酬体系などいまの福祉施策を見直す運動にとりくみましょう。
3.きょうされん福島支部のホームページには、「つたえ」「つなぎ」「はじめます」という言葉が掲げられています。その思いを「うけとめ」「つながり」「ともにあゆむ」こと、それが明日からわたしたちにできることです。
3.11声明2018.3.11.pdf (0.14MB)