お知らせ

2024-03-11 12:46:00

2024(令和6)年 3月 11

滋賀県知事 三日月 大造 様

きょうされん滋賀支部

理事長  西川 茂

 

2024年度障害福祉報酬改定案」についての緊急要望書

 

厚生労働省ならびにこども家庭庁は、報酬改定検討チームでの検討を踏まえ、2月6日、「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における改定内容」と、報酬単位の新旧対比を含む「概要」、「算定構造」を公表しました。しかし、その内容は多くの問題を含んでおり、終わりの見えない「物価高騰」と、危険水域といえる「職員不足」問題を抱えている障害福祉現場に、多大な衝撃を与えました。

きょうされんは2023年に、多くの障害団体の協力を得て、報酬改定検討への問題提起を目的に、障害福祉事業所の「職員不足の実態調査」を行ない1024日、記者発表しました。その結果、障害福祉事業所の「職員不足」の厳しい現状が浮き彫りになり、NHKをはじめ多くのマスコミも本調査を報道しました。また「職員不足と物価高騰による負担増を解決する2024年度報酬改定を求める緊急要望」の団体署名にとりくみ、2,286カ所の署名を厚労省に提出しました。署名の自由記載には、障害のある人と支援者の悲痛な叫びが多数綴られ、その全文も厚労省に提出しました。

しかしながら、2月6日に公表された「改定内容」と「概要」は、訪問支援など一部に増額はあっても、物価高騰や職員不足の現状を解決する水準ではありません。また基本報酬の減額は、障害福祉現場の声に応えるどころか、障害福祉サービスの休止や廃止に繋がりかねない内容と水準です。

以上の趣旨を踏まえて、以下の諸点について国に要望していただきたく、緊急に要望いたします。

 

1.当面の経過措置が設けられたとしても、生活介護や児童の通所事業における1時間刻みの報酬設定は、「時間払い報酬単位」の導入に向かう、制度の後退です。そもそもわたしたちは「日額払い」を見直し、人件費等の固定費を月額払いとすることを求めてきました。併せて、基本報酬の減額と加算による補填ではなく、基本報酬を大幅に引き上げていただくことを、国に要望してください。

 

2.重い障害や精神障害のある人、高齢の人が多く働いている就労継続支援B型の平均工賃15,000円未満と、「利用者の就労や生産活動等への参加等」をもって一律に評価する報酬体系について、基本報酬の減額を見直し、引き上げていただくことを、国に要望してください。

 

3.日本の障害施策予算水準は、OECD調査が明らかにしているように、過去20年間遡っても一貫してGDPのわずか1%弱にとどまり続けています。まずは、OECD平均の2%を超える予算水準を実現していただくことを、国に要望してください。

PDFはこちらから pdf 「2024年度障害福祉報酬改定案」についての緊急要望書.pdf (0.17MB)