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2014-01-01 09:00:00

  あけましておめでとうございます。

  昨年、暮れの臨時国会で、日本も国連の障害者権利条約を批准する事が、衆議院、参議院ともに全会派一致で承認されました。これは、2009年に発足した、障がい者制度改革推進会議のリードのもと、2011年障害者基本法の改正、2012年障害者総合支援法の成立、そして、昨年の障害者差別解消法が成立したことで、条約批准のための国内法の整備が整ったことによります。それぞれの法律の内容は、障害の定義が、医学モデルから社会モデルへの転換を示した事など大きな前進と共に、実質的には、「障害者自立支援法」の廃止には至っていないこと、差別の定義が明確になっていないことなど、多くの課題を残していることも事実です。ふり返ると、それぞれの法律の成立に併せて、障がい者制度改革推進会議から出された「骨格提言」をはじめとする様々な意見書の提案を法に活かすための幅広い運動に取り組む中で、「一歩前進」と喜んだことや、「これでは同じ」「約束が違う」と悔しい思いをしたことなど、鮮明に思い起こす事ができます。

  いずれにせよ、この障害者権利条約の批准は、障害者自立支援法の廃止の運動以降の障害者制度の改革を求める、日本の障害者運動の到達点であることは、間違いありません。

  また、昨年きょうされん滋賀支部では、「在宅障害者の生活実態調査」に取り組みました。各会員事業所の職員による、家庭訪問を基本とする調査活動でしたが、各事業所の秋の地域に向けたイベントの取り組みや、6ヶ月毎のモニタリング等の最も忙しい時期と重なり、加えて調査票の分厚さを考えると、目標の500件の調査が一時危ぶまれました。しかし、最終的には517件の貴重な生活実態が集まりました。ご協力頂いた会員事業所の皆様に改めてお礼を申し上げます。また、各会員事業所の障害のある方の命や暮らしに真摯に向かう姿勢に深く敬意を表したいと思います。この貴重な調査の声を基に、今年の3月には実態調査報告書を作成する予定をしています。

  さて、2014年は、日本もいよいよ国連の障害者権利条約の締約国となるという、日本の障害者運動にとっても記念すべき年となります。滋賀県においても、滋賀県版差別禁止条例にあたる条例の制定に向けての取り組みなど、重要な課題が明確になっています。権利条約の「他の者との平等」や「分け隔てのない社会」という理念を思うと、我が国の障害のある人の地域生活や労働の実情との隔たりを痛感します。今回の権利条約の批准を「ゴールではなく新たなスタートに」と言うのが多くの関係者の共通認識となっています。滋賀の地においても権利条約の理念が地域に息づく年としたいものです。

   今年もどうぞよろしくお願いします。

 

 きょうされん滋賀支部 理事長 田中健二